fc2ブログ

「生きがいとは何か?」その3

「生きがいとは何か?」という友人からの手紙に答えるための
私の思索記録その2の続き

手紙の返事を書きながら
今まで心の糧として蓄えて来た言葉を
もう一度、味わっている
本を読んで刺さった言葉をノートに書き留めたり
このブログに記録してきたコトバたち

以前から、書き留めてきたけど
より積極的になったのは、聖書を読むようになって
若松英輔さんの本に出会ってから…

『「よくよく、あなた方に言っておく
あなた方がわたしを捜し求めるのは
徴(奇跡)を見たからではなく
パンを食べて満腹したからである
なくなってしまう食べ物のためではなく
いつまでもなくならずに
永遠の命に至らせる食べ物のために働きなさい」
(ヨハネによる福音書6章26~27節)


イエスは、不治の病を癒すなどさまざまな奇跡を行ったとされているが、それは人々が真に求めているのではない、というのである。パンのような「なくなってしまう食べ物」でもない。「永遠の命」に導くようなものを求めなくてはならない。消えないもの、朽ちることのないもの、過ぎ去らないものを探せと語る

「天地は過ぎ去る。しかし、わたしの言葉は過ぎ去ることはない」
(マルコによる福音書13章31節)

身体は一定の量の食べ物を欲する。しかし、心が求める言葉は量では満たされない。だから、たった一つの言葉でも充足を感じることもある。むしろ生きるとは、人生の、そのときどきに絶対に必要なたった一つの言葉を探す営みだとも言える』

(若松英輔著「生きていくうえで、かけがえのないもの」より)

読んで以来、生きていくうえで自分に必要な
かけがえのない言葉を探すことが
生きがいの一つになった

書物は、そんな言葉との出会いの宝庫
人生の同伴者と思えるような本や言葉に
もっともっと出会いたい

最後に、新聞で見つけた言葉
朝日新聞「折々のことば」から…

絶望するのと同じ能力、その未来を想像するという能力があるから、人間は希望をもてる

チンパンジーはつねに「今、ここ」を生きている。だから一瞬ぱっと目の前に示された数字を丸覚えするのは上手だが、ずっと先のことに思いをはせたりはしないので、絶望もしない。これに対してヒトは、過去や未来といった不在の時に心をたなびかせる。だから、過ぎし日を懐かしみ、後悔もすれば、行く末を案じ、祈りもする
(霊長類学者:松沢哲郎「想像するちから」)


「心をたなびかせる」という表現がいいなぁ…( ̄▽ ̄)。o○

生きがいは、「生きる希望」だ
失くすと絶望する
希望と絶望は、表と裏、光と闇

深く悲しんだ体験があるからこそ
喜びもより深く味わえる
闇にいたからこそ、光を見つけられる
暗闇の中でしか、見つけることのできない光がある
(NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のセリフっぽいw)

生物の中で、生きる意味や価値を考えたり、苦悩するのは人間だけだ
草も木も花も虫も、ただ生きようとしている
その姿に感動するのも人間だけ

時にあらがえない苦悩に直面しても
人間に生まれたからこそ味わえることを、存分に味わう
これも、「生きがい」を言い表した言葉かな?!

「生きがいとは何か?」という課題レポート(?)も
これにて、ひとまず終了~~




theme : ♪人生・生き方♪
genre : ライフ

「生きがいとは何か?」その2

「生きがいとは何か?」という友人からの手紙に答えるための
私の思索記録その1の続き

なんか…手紙の返事というより
学校で課題を出されてレポート書いてる気分になってきたww

でも友人のおかげで、以前読んだ本を再読して
新しい発見があったりして、めちゃ楽しいww

その1で「夜と霧」の著者、フランクルのことに触れて終わったので
そこからの続き

若松英輔さんの「生きる哲学」を、その1で紹介したけど
若松さんはフランクルについても
「第11章 伝える フランクルが問う人生の意味」で述べている

その中で、私も持っているこの本も取り上げられていた
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

フランクル『夜と霧』への旅 (文庫) [ 河原理子 ]
価格:880円(税込、送料無料) (2022/1/31時点)



早速、もう一度読み返してみると、フランクルの言葉が胸に刺さる
以下、河原理子著「フランクル『夜と霧』への旅」より、1部抜粋

自分では変えられない(時に絶望するような、生死を分かつような)運命に対して苦悩することがあっても、その苦悩を引き受けること、苦悩への勇気こそが重要

人生の意味とは、あらかじめ与えられるものではなくて、そのつど発見されるべきもの。状況に直面した者が、みずから見出さねばならないもの。人生の意味は三つのしかたで見出される。労働や、何かをつくり出すことにより、実現される「創造価値」。自然や芸術を鑑賞する、あるいは誰かを愛することによって実現される「体験価値」

そして、それさえもあきらめなければならなくなっても実現しうる「態度価値」が人間には残されている。仕事はいずれできなくなるかもしれない。音楽を聴いたり、本を読んだりすることもできなくなるかもしれない。変えられない運命に対して、どのような態度をとるか。その事実をいかに引き受けるのかという心構えと態度によって、人はなお人生に意味を見出すことができるのだ…

あなたが人生に絶望しても、人生はあなたに期待することをやめない

人生がその人に問いかけてくる問いに応答しようとし、それに応答することによって、人生が差し出してくれる意味を満たしていくこと

人間はあらゆることにもかかわらず---困窮と死にもかかわらず、身体的心理的な病気の苦悩にかかわらず、また強制収容所の運命の下にあったとしても---人生にイエスと言うことができるのです

私のこれまでの人生で、一番大きな問いかけは
最初の子どもを生後2週間で亡くす、という運命だった
この変えられない出来事を、どのような態度で引き受けるか

嘆き悲しんだ先に見い出した私の答えは
この事を、亡くなった子からのギフトだと思えるように生きること

その頃は、まだフランクルに出会っていなかったけど
大切な人の死を意味あるものにしたいと
行動に移す人は、少なくないと思う
それが生きがいになったり、ライフワークになったりもする

体の不調を抱えるようになった今
フランクルの「身体的心理的な病気の苦悩にかかわらず」
という言葉が、実感を持って胸に迫って来るようになった

~その3につづく~

theme : ♪人生・生き方♪
genre : ライフ

「生きがいとは何か?」その1

友人から、冒頭タイトルがお題の手紙が届いた
自分はこう思ってるんだけど、あなたならどう思う?
生きがいについて考えを深めるために、一緒に考えてほしいと…

今、その問いに答えようと
思索しながら、返事を書いている

つまり、これは推敲するための思索記録
(紙の手紙は手元に残らんので録っておきたい)

「生きがいについて」と聞いて、すぐに思いついたのは

そのまんまのタイトルの神谷恵美子著「生きがいについて」
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

生きがいについて (神谷美恵子コレクション) [ 神谷美恵子 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2022/1/30時点)



読みたい本リストに入れたまま、未読だけど
愛読書の若松英輔さんの「生きる哲学」の中で紹介されていたので思い出した
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

生きる哲学 (文春新書) [ 若松 英輔 ]
価格:880円(税込、送料無料) (2022/1/30時点)



何かヒントになりそうだから
神谷恵美子さんの章を、もう一度読み返してみた

生きがいということばは…
「日本語だけにあるらしい。これを英・独・仏などの外国語に訳そうとすると、「生きるに価する」とか「生きる価値または意味のある」などとするほかないらしい。こうした論理的、哲学的概念にくらべると、生きがいということばには、いかにも日本語らしいあいまいさと、それゆえの余韻とふくらみがある」

「人間の感じる生きがいというものの、ひとくちには言い切れない複雑なニュアンスをかえってよく表現しているのかもしれない」
(8章 感じるーー神谷美恵子の静かな意思より一部抜粋)

うむ🤔…友人が「生きがい」について掘り下げたくなったのも
この余韻とふくらみを含んだ言葉にあるのかもしれない
まず、神谷さんの本を読んでみるようお勧めしたい

「生きがいについて」は、神谷さんが精神科医として
ハンセン病患者と向き合うようになってから書かれた本で
「視力を失い、指をも失った人の日常が、(中略)生きがいとは何か、生きがいは見ることもふれることもできないが、たしかに存在することをまざまざと(神谷さんに)示したのだ…」と若松さんは評されている

「人間がいきいきと生きていくために、生きがいほど必要なものはない。人間から生きがいをうばうほど残酷なことはなく、人間に生きがいをあたえるほど、大きな愛はない」(同掲)

生きがいとは
「生きることに喜びを感じられること」だろうか
生きることを肯定できるような…

何かができるとか、誰かの役に立っているかどうかは関係なくて
ただ生きている、それだけで素晴らしい!!と感じられたら
もうそれだけでHappy
だから、明石家さんまさんの「生きてるだけで丸儲け」と言う言葉に
激しく同意する

そこに、プラスアルファで自分の好きなことができて
そのことに共感したり、時間を共有できる人がいてくれたら
もっともっとHappyになれて、最高じゃ~~

私自身は、子ども時代はうっすら暗闇だったので
生きることを肯定できるようになるのは
大人になってから

でも順風満帆な人生なんてない
人生に絶望するようなことに遭ったり
生きがいを失ってしまうこともある

そこで、思い出したのがヴィクトールE.フランクル著「夜と霧」
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

夜と霧新版 [ ヴィクトル・エミール・フランクル ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2022/1/31時点)



私はこの池田香代子さん訳と、新版になる前の霜山徳爾さん訳も読んだ
手紙の友人も、「夜と霧」は読んだことがあると思う
「生きがい」について深めたいなら、この本も良いかもしれない



~その2につづく~

theme : ♪人生・生き方♪
genre : ライフ

プロフィール

きなこ

Author:きなこ
広島県在住。卯年の魚座。0型。生まれはポルノグラフィティと同じ。窓から海が見える家で育ったので海が好き。2014年に故郷の近くに転居。2006年3月9日ブログ開始。

kinapyをフォローしましょう

アルバム

訪問ありがとう

最近の記事+コメント

カレンダー

01 | 2022/02 | 03
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 - - - - -

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のトラックバック

過去ログ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

リンク

RSSフィード